家隅盛塩雑記帳

幕末文久三年がホーム。マイナー新撰組隊士と悪役。

MAEGAMIの・・・

ところで、最近大島渚監督作品『御法度』にハマっている。

1999年に公開された新撰組映画だ。司馬遼太郎作の「前髪の惣三郎」が原作である。

昨年の10月あたりに観て、なお燃え続けている。
もともと、このポスタービジュアルには強く惹かれていたのだが、
惹かれるがゆえに、もし好みに合わなかったらショック倍増だろうなどという稚拙な恐れがあったのである。
この時まで、新選組血風録はちらっとしか(しかも鴨川銭取橋)読んだことがなかった。
加納惣三郎という人物についての知識も宙を漂っているもので、誰かから話を聞いて、実はいたのかと勝手に思っていた。

さて、季節は下り
『御法度』と出会った。改装してできた近所のTSUTAYAに、たまたま有ったのが一番の理由であった。

惣三郎は、美しかった。
スラリとしたプロポーション、真っ白な肌と黒い髪、夏の只中というに涼しさすら感じさせる存在だった。絶対パーソナルカラー冬
黒い隊服の男どもの中に、白の着物をまとう少年の姿は、異物混入という分かりやすいイメージを与える。
作中をただよう曲も素晴らしく良かった。
衣装は、新撰組関係の作品で一番の気に入りとなる。

なんというか…今まで「違うな」「わからないな」と感じてきたいくつもの新撰組作品との出会いを粉砕する
青い瞳の雷という感じだった。

もっと期待してよかった。
もっと早く観ればよかった。
観る前に感想をチラ見して「演技が云々」などという妙に冷静なご意見に落ち込まなくてよかった。

キャストのほうも、悲喜こもごもあるだろうが、特に気にならなかった。
沖田総司役の武田真治さんがハマりすぎて沖田観が完全にすり替わるレベルであった。この話は、武田さんの沖田が大きな柱として支えている印象が強い。
他にも、山崎烝役のトミーズ雅さん、井上源三郎役の坂上二郎さんなどが非常にいい味を醸し出している。

推しがほっとんど出ていないのに、惣三郎の強烈な存在感のせいで超絶推せる。
昨今、実写化アカンな傾向がありますけど、またこのような神作が生まれるかもという希望は持ち続けたいものである。

今から『御法度』観る方がいたら、ご視聴前にウィキペディアは覗かないほうがいいっす。
映画の中身ほぼ全部書いてありますので;;

「公式 御法度読本」が届いてウキウキの雑八でした。


令和二年三月二日 江桷雑八